ex-over40olympian

"over40olympian"から移送しました。よって大半体操系です(;'∀')

世界(人類の)の先を行くには

何を当たり前に設定するか。これは現世界トップを目指す選手、監督、コーチにとって最重要マインドセット(考え方の基本的な枠組み)だ。

人間は規範の中で生きている。スポーツでいえば、陸上でいえばボルトがすごい記録を出したから、僕も、私も9秒くらい行ける。体操なら

白井選手が4回ひねったから僕、私も2回、3回くらいすぐ?できるようになるぞ。

そう、人間は序列を構築するのだ。ある枠組みの中で自分の位置を確認して動き出す。でも本当に現世界のトップを行きたいならそれでは間に合わない。

例えば人間は100メートルを8秒で走るんだとコーチに刷り込まれたメディアとは無縁のある筋力に優れた部族の人間を育てたなら、

いきなり世界新記録を出す選手が出る確率は高いであろう。

5回ひねりが普通だと教わるマイナーな国の選手がいきなり世界大会に出たら白井君もびっくりかもしれない。

その好例は体操のレジェンドジュニア塚原選手(現オーストラリア国籍)でしょう。全国大会とかの指標がはなから脳内になく、はなから世界トップになるだけのトレーニングを当たり前に受けた。細かい過程事実やはここでは割愛m(==)mその結果世界大会出たらいきなり(もちろん国内大会を勝ち抜いたのは当然ですが)メダルを取る。序列をつける間もなく頂点だけを見た(見せられた)結果だ。

このマインドセットを指導者と選手が完全に共有してるのが中国であろう。だから今回の世界選手権は細かいミスがあって中国の結果はもうひとつだったが、技では完全に日本の5年から10年先を行っている。この差はもう何十年も埋まっていない!

情報筋によるとFIGでは独創技の評価は重要視されていないようであるが。流行にはサイクルがある。

今後体操に限れば美しさと完成度(現Eスコア)での勝負は限りがあるであろう。体操の原点「こんなことできるのか!」現Dスコアの比重が増えることは必至であろう。そのトレンドの中では「あの国の選手がやった(成功した)技やってみよう」では日本が頂点に立ち続けるのは黄信号になるのではないか。いつの間にか欧米主導になった柔道のようになる必要はない、体操もFIG主導じゃなく今日本が強い内に日本体操発信で引っ張って行ってもいいのじゃないか。でも現日本は新技より『既出の技を完璧に』が主流だから、ダメか。。。ん~これは以前述べたように、日本人気質『既出の製品をもっといいものに』と同じだから厳しいか!

でも井村雅代さん(日本、中国、イギリスのシンクロナイズドスイミングの指導者)の言葉は流石わかっている!と思わせるものだ。

~NHK 達×達より抜粋~

“人間って必ず一人目が大変で、一人目が出来たら必ず真似をするわけ。100m走るのんでも、カールルイスが10秒切った時「鳥人」言うて誰が次かって。今なんか9秒台でも予選のこれますか?でしょ?進化するからね。ということは「できるんだ」と思うわけですよ。「できるんだ」と思う心になるまでが大変。できたの見たら、できて当然と思う。”

“本当の指導者の力は、見本のないトップを引っ張る力。”

She knows how to break cognitive bias of human beings!!

追記:

関野吉晴(探検家、医師、武蔵野美術大学教授)

~グレートジャーニーより抜粋~

‟人が増えたり、よそから人がやってきたら、 残るのは強い人で、弱い人が突き出されます。

弱い人はみんな、追い出されて新しい土地に行く。突き出された人の中には、滅びる人もいっぱいいたはずです。

また、弱い人が弱いままではなく、パイオニアになった人たちが新しい文化を作って、自分たちを追い出した人より強くなることがあります。その典型がイギリスと日本です。いいことか悪いことかは別にして、イギリスは世界を征服しようとしました。 日本はアジアを制覇しようとしました。

イギリスの人というのは これ以上西に行けない島に追い込まれた人たちです。日本はこれ以上東に行くなら ハワイまで行くしかないような場所です。ぼくは日本という場所はほかの地域を追い出された弱い人たちが集まって、切磋琢磨して、いろんな新しい文化を作った場所なんだと思っています。たとえば縄文というのはすごい文化ですが、これも、弱い人たちが素晴らしい文化を作った例だと思います。

弱いことで突き出された人が新しい文化を作ることがある、というのは人類自体の歴史にも見ることができます。“

進化論のテーマでもよく見かける言葉にも

“It is not the strongest of the species that survive, nor the most intelligent, but the one most responsive to change. 生き残るのは、最も強い種ではなく、最も利口な種でもなく、変化に最もよく対応できる種なのだ。“

 とある。

やはり自分たちから新規のものを作るより既存のものを更に磨きをかけて世界最強になる。

現在日本とイギリスは体操団体では世界1、2を争う国だからこの論は納得できるかなあ。

でも日本がダントツトップランナーでいるには、学業ほどほどで体育館に一日の半分以上いて10年先のことを当たり前にしている中国や筋力反応に優れた他国発信、その後それを完璧にして頂上維持するパターンでは行く行く厳しくなるであろう。

もっと、もっと箱(簡単にいえば固定概念)の外から何をどうしたいか?といった部分から経験値的でなく人類学や生物学の最低素養の持った認知科学的アプローチのできる上の人材育成が適切かもしれない。

いや必要!

Good shinning new year to you all!!!

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